婚約破棄とは、婚約した相手と結婚しないことを一方的に決めることです。婚約は、結婚を約束する契約であるため、婚約破棄は、その契約を一方的に解除することになります。
婚約破棄には、正当な理由によるもの、不当な理由によるものの2種類があります。
- 正当な理由による婚約破棄
正当な理由による婚約破棄とは、婚約継続が困難な状況が生じた場合に、一方的に婚約を解除することをいいます。正当な理由としては、以下のようなものが挙げられます。
* 相手からの暴力や虐待など
* 相手からの浮気や不倫など
* 相手が重大な病気にかかったり、精神疾患を発症したりした場合
* 相手が失業したり、経済的に困窮したりした場合
* 相手が行方不明になった場合
- 不当な理由による婚約破棄
不当な理由による婚約破棄とは、婚約継続が困難ではない状況にもかかわらず、一方的に婚約を解除することをいいます。不当な理由による婚約破棄は、法的には認められず、損害賠償を請求される可能性があります。
婚約破棄の慰謝料は、婚約破棄によって相手が受けた精神的苦痛を賠償するためのものです。慰謝料の金額は、婚約の期間、婚約破棄の理由、相手が受けた精神的苦痛の程度などによって異なります。
婚約破棄をした場合、婚約指輪や結婚式の費用などの費用を返還する義務が生じる場合があります。また、婚約解消の通知を相手に行う必要があります。
婚約破棄は、当事者双方にとって大きなダメージとなる行為です。婚約を解消する前に、十分に話し合いを行い、双方が納得できる形で解決するようにしましょう。
以下に、婚約破棄に関する法律上の規定をまとめます。
- 民法第709条
故意又は過失によって他人に損害を加えた者は、その損害を賠償する責任を負う。
- 民法第723条
婚約は、当事者の一方が婚約の履行を拒絶したときは、解除されたものとみなす。
- 民法第724条
婚約を解除した者は、解除の相手方に対し、その相手方が婚約の履行について有した期待を賠償する責任を負う。
- 民法第725条
婚約の解除は、当事者の一方が相手方に解除の意思を表示することによって行う。
婚約破棄を検討している場合は、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は、婚約破棄の法的プロセスについてアドバイスをしたり、必要に応じて代理人として交渉を行ったりすることができます。
婚約破棄は、当事者双方にとって大きなダメージとなる行為です。婚約を解消する前に、十分に話し合いを行い、双方が納得できる形で解決するようにしましょう。
婚約破棄を検討している場合は、以下のような点に注意しましょう。
- 婚約破棄の理由が正当なものかどうかを検討する
婚約破棄が正当なものかどうかは、裁判所が判断することになります。正当な理由による婚約破棄であれば、慰謝料を請求されることはありません。
- 婚約破棄によって相手が受けた損害を賠償する準備をする
婚約破棄によって相手が受けた損害を賠償する義務が生じる場合があります。婚約指輪や結婚式の費用などの費用を返還する必要がある場合もあります。
- 婚約解消の通知を相手に行う
婚約を解消する意思を相手に伝え、婚約解消の通知を送付する必要があります。婚約解消の通知は、書面で行うのが一般的です。
婚約破棄は、決して軽々しく行うべきものではありません。婚約を解消する前に、十分に検討し、慎重に行動するようにしましょう。